ひよこの無天

ひよこ飛ぶ空に限りはなく

「普通」って何ですか? 〜何って……普通に魔法を使っただけだが? を添えて〜

 

「普通ってなんですか?」

 

TRPG、DX3rd「三千世界」で主人公格のPC1をやるにあたり、困りまくったのがこの疑問。

どれくらい困ったかというと、具体的には三日三晩設定とPC名について考え続けたくらいですね。

 

それで考えついた設定がこれ↓

 

 

PC1

佐藤 大翔さとう ひろと

どこにでもある苗字、よく見る名前。

身長も平均。体重も平均。国語も数学も理科社会英語体育も、全てちょうど平均点。

ありふれた顔立ちのあまり、誰も彼の顔を覚えられず、雑踏に紛れれば彼を見つけることはできない。

 

"度が過ぎる普通" は、最早普通ではない。

その認識災害とも言える存在を、人々はこう呼んだ。


異に常なるものエクストラ・オーディナリー】と。

 

 

最も普通なものはそれだけで異常性をはらんでいるそうな。

 

………

 

 

こいつ、普通じゃない!!!!!!!!

 

 

ということで、目が覚めた私はそのあと10分でフィーリングで名前と設定を決めました。

【青山 進 (あおやますすむ)】

やった! これこれ、普通の名前っていうのは「最も多い苗字+最も多い名前」なんかじゃなくて、「そこそこのレア度の苗字+親が少し独自性を出してあげたくて将来の姿とかを想像しながら悩んでつける名前」なんですよね。

通常ノーマルはいわゆる平均バランスではなく、一定度の不均一アンバランスだということに、ようやく気づくことができました。いやあ辿り着くまで長かった。

 

ちなみに必殺技は【ゴッドストーム】と【ドラゴンブレス】です。

ここから「普段必殺技の名前を付け慣れていない一般人がなんとなくで付けてみた、よくありそうな必殺技名」の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。

 

 

おわり。

「意味付け」での問題 〜記憶消したくないですか? 編〜

 

タイトルがろん!にまだ毒されてます。メリークリスマス(終わったけど!)です!

いろいろ一段落したおかげで最近コンテンツを見られるようになってます。

卒論でも思っていたことなんですが、本とかアニメとか見るにあたって、初見のほかに記憶を消した状態 "でも" また見たくないですか? というね。

マトリックスレザレクションズを見た余韻で無限にこの話ができちゃうんですけど、あれなんか記憶の上書き(正確には書き換え)のお話ですよね。現実世界でも記憶のハックは可能で、要は思い出すことに失敗させればいいんですよ。

 

 

記憶を忘れちゃう理由として、①減衰説、②干渉説、③検索失敗説の3つが主にあります。

※ただ、エビングハウス忘却曲線(時間に従って記憶の再生にかかる時間の"節約率"が減少する)なんかで有名な減衰説は最近では支持されなくなってしまったので、実質2つ

 

自分が現実世界の中でも使えるな、と思っているのが③の検索失敗説を活かした「記憶をわざと忘れる方法」です。

例えば本の内容なんかだと、似たシチュエーション(転生ものとか)同士で話がこんがらがって、実際どうだったかよく思い出せない、ということがあると思います。

これです。この事象を応用して、忘れたい話の他に似た設定の話を読んだり作ったりして、一気に記憶をひたすら混同させ続け、そしてしばらく思い出さないように努める。そうすると結構な確率で忘れられます(体感です)。

ありふれた物に特殊な「意味付け」が為されている系には特に威力があり、少なくとも日常生活で該当のものを見てふっと思い出してしまう、なんて事態は防げる気がします(体感です)。

 

 

何かしらを早急にどうしても忘れる必要があるって人はやってみてもいいかもしれません。

 

そんなことある?

 

おわり。

 

レザレクションズ観たよっていうメモ

THE MATRIX RESURRECTIONS』をようやく観てきましたよ、ということでね!

 

泡沫の夢のような内容でした。現実に溶け込みすぎて明日はもう忘れちゃってるかもなので、今急いで書き留めています。現実いま をね……。

ネタバレありです。

 

 

ざっくり感想

知っている入口、知っている展開。それを「知っている」ことを知っている登場人物。毎日はループの連続で、単調な日々の繰り返しがこれまでも、これからも続いていく。それを支配の手法として仮想現実で行っているのがマトリックス。変わらぬ日々を求め続けるシーピープル(羊のような人々)に求めるものを与え続け、自らの糧とする……。

OKOK、ここまではまだついていける。

 

パソコンの画面を見つめるネオ。「マトリックス」は最高の出来の三部作ゲームだったが、続編「マトリックス4」を作るように親会社のワーナー・ブラザーズから迫られている……最初何のドキュメンタリーかと思いました。

イデア出し、話し合い、合間にジムで運動、そして青カプセルを服薬。ゲーム開発会社で繰り広げられるごく普通の1日を繰り返し続けるなかで、以前の自分の記憶が深層意識にあり、セラピーを受ける甲斐なく狂気に至ろうとする。

かなりここで飛ばしにかかってると感じました。そもそもマトリックスをゲーム化してしまうのも陳腐だし、マトリックスに対する自分なりの定義を出させてしまう=結論づけてしまう、割り切らせてしまうのも、今この映画の身を切って行われている行為です。

 

ですが、ネオが邂逅した人間に赤いカプセルを受け取り、それを受け入れてからはとても早いものでした。元々が救世主をやっていた人間ですし身体が覚えているんですよね。でもトリニティーはどうだろう?今の状況に満足しているのではないか?

というところで懊悩するネオです。

 

最終的にはトリニティー自身が安らぎの時に埋もれていくことを拒み、ネオの側に立つわけですが、吹っ切れたあとはかなり奔放に活動していて、はたから見てもやっぱりこっちの方がいいよ! と思いましたね。元気が一番!

 

 

前提には旧三作知識が必要!

本作は「マトリックスシリーズ」が伝説的存在であり、前提としてその物語を皆が知っているものとして進んでいきます。

観ていないと始まりのシーンにおいて、いわば「知ってる天井だ……」が「知らない天井? だ……」になってしまうくらい差があります。

 

少なくとも、「マトリックス」においてネオは救世主であり、我々の生きる仮初の世界をコントロールできる随一の能力を持っていたためもてはやされていた、という程度の知識は必要そうでした。

そもそも「matrix」を知らないと、最初にゲームだって言われて提示された時に「そうなんだ……」としか思いませんからね。

 

 

 

総評:過去を懐かしむ映画

 

自分は興味深いよりの面白さを感じて好きでしたよ!

 

 

 

【おまけ】

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↑かわいい〜!

 

おわり

 

星なき夜のアリア 個人的鑑賞記録

 

昨日衝動的に予約して、地元の映画館で『SAO プログレッシブ 星なき夜のアリア』を観てきました。

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』オフィシャルサイト

 

足したり引いたりする必要がない完成品ですね。特に言うことはないです。

アニメ映画は来場者特典が充実してるのがとても嬉しいところ。自分は3週目の前日譚ショートノベルが欲しかったので(衝動的に欲しくなったので)今日にしました。

 

 

……ちょっとだけ感想を言うと、1期がベースなので懐かしいシーンなどもありましたが、映画らしく高解像度化されていて感動してしまいました。SAOは本気マジの青春ですから。

そして高い解像度でもお亡くなりになるディアベルはん……。

 

あと7割くらい百合だったのも驚きです。これはプログレッシブまで読んでなかったからですが。

勉学、スポーツなどでアスナに勝る新規キャラの友人、ミトが登場したのは良いのですが、アスナ

1.「SAOやろうよ。楽しいよ!」って言った時 

2.「アスナは私が守る!」って言った時 

3.「大丈夫だよ、絶対死なせないから」って言った時

死亡フラグ立てるな〜〜〜!!!!! と思いました。いや〜ほんとに怖かった。

 

まだ曲が頭の中で流れてます。最高でした。

この世界には負けたくないですね。

 

 

 

 

(追記)

ミトのプレイヤーアバターが、死神的鎌をぶんぶん振り回す怪しいムキムキオネエなのを見た時、め〜〜〜ちゃくちゃ嬉しくなりました。その一点だけで友人になりたい。

 

(追記2)

ミトの他死亡フラグリスト

・「これもこの世界の醍醐味の一つ」という口癖をアスナに真似され、照れ笑いする→死んだときにこのワードが回想シーンに挟まるやつじゃん!

・罠チェストトラップに引っかかって命を落としたプレイヤーについて、「彼らは冷静さと慎重さが足りないパーティーだっただけ。私は違う」と言う

アスナが命を落としそうなシーンで、死ぬのを見たくないがために逃げ出す

・ベータテスターの存在を非難されただけで顔を曇らせてしまうほどメンタルが弱い

・鉄拳プレイヤーだし魅せプレイ好きそう(?)

・良いオネエ(だった)はすぐ死にがち

次回! 「切られた髪と映画予約」

 

前髪が目に当たってうっ……ってなるのと、それを避けようとして伏し目になるのが困りがちだったので、髪を切りました!

前回から美容院を変えたんですが、良い感じでとてもよいです。スタイリストに「おまかせで」っていってお洒落になる美容院は、全幅の信頼を寄せられて気持ちが楽です。

 

『SAOプログレッシブ 星なき夜のアリア』、行きたいな〜と思っていたんですが、前日譚の小説配布期限が19日までなことを知り、急いで予約しちゃいました。人生勢い勢い。

え? やるべきことがあるですって? 聞こえませんね……

 

明日はまた火麒麟に行く予定です。映画も観て美味しいものも食べられるなんて、とことん幸せですね〜!!!

 

 

今22時なんですが、今日までの課題があることを今この瞬間思い出したのでそちらをやっていこうと思います。

久しぶりに日記っぽい日記でした。あぴよす!

AppleTVなにこの隠し良コンテンツ??? (『テッド・ラッソ』感想)

 

諸事の進捗が出ないことに苦しんでいます。

 

苦しんでいると、現実逃避がしたくなるんですね。プロセカ片手でやりまくったり、古に廃れたブラウザカード対戦ゲームをやってみたり、突然アマプラを開き出したり……。

 

でも違うんですよ。いや違わないんですけど。

なんか心が温まることを求めているんですけど、感動するアニメとか観てたら辛くなりもするじゃないですか。ふわ〜って観られて、なんかぽかぽかする、そんなものを我々は必要としてまして。

 

そんな中、アプリの誤タップによって、あれ? そういやAppleTVアクティベートされてるじゃん。ってことに気づきまして。

 

前だらっと観てた時に、へえ、スヌーピーのAppleTVオリジナルストーリーあるんだ〜とか、Dolby Atmos対応のイヤホン使ってる以上はこういう立体音響あるやつがいいよね〜って思っていたんですが、そういや『テッド・ラッソ 破天荒コーチがいく』なんてB級(?)っぽいタイトルのコメディもあったなぁ、と思い出しまして。

 

やることなくて暇だし観たんですよ。

 

 

び〜〜っくりした。

 

 

びっくりしてサイズと色変えちゃったけどほんとに衝撃すごかったもん。

なに? この……底抜けの明るさを具現化して2乗したような愛らしい存在……これくらいの年齢のおじさんにそんな感情抱いたこと数えるほどしかないよ。

 

主人公のテッドラッソ、サッカーのことマジで何にも知らないのに、なんか色々な思惑の下に強豪寄りの平凡チームで監督をやることになるんですが、まあ平凡なだけあって、チームメイトが荒れてる荒れてる。

小学生レベルのいじめだったり、すぐキレるキャプテンだったり、サッカーが上手いことをいいことに図に乗りまくってるエースだったり、無視される用具係だったり。よくサッカーやれてるな。

なんですけど! この問題児たちや裏で画策してる黒幕やらを性格の良さで破壊するぜ!!! ってやるわけです。コメディだからね。

 

テッドはアメリカ出身で、監督することになったチームはイギリスなこともあって色々ジョーク面でもすれ違いがあったりするんですが(さらに英語だから日本語では理解しにくい部分もあるけど、字幕版は訳がなかなか秀逸)、それでも相手の剣幕にビビらず包み込んで一緒に盛り上がっていこうぜ! みたいな、陽キャの究極系に達しているテッドが眩しいです。

さらに、テッドは信頼できる仲間、ビアード(無口な物知り、だがジョークへのノリは抜群)と一緒にイギリスに来ています。彼はサッカーのことを何一つ知らないテッドに代わり、戦術面でのサポートや細かな知識をテッドに伝授してあげているのですが、2人のやりとりがもうめちゃくちゃかわいいです。

 

思い出した好きなシーンを一つ紹介します。用具係の青年が、考案した一つの戦術を監督テッドとビアードに聞いてもらおうとするシーンです。

用具係「やっぱり大して良くない気がする……むしろダメに決まってる……もう見せるのも恥ずかしい」

テッド「悪いけど、自信がないヤツの声は聞き取りにくいんだ。だから、ひとつだけ聞くぞ。この案は、うまくいくと思うか?」

用具係「(小声で即答)思います」

テッド「お〜い! ばかでかい声を出すなよ!目の前にいるだろう」

ビアード「(声の大きさに驚いたそぶりで椅子から転げ落ちる)」

優しすぎる。2人とも愛のかたまりか?

このくだりはいつかやってみたいと思うほど感動しました。

 

なんにせよテッドとビアード、2人の前にはさまざまな艱難辛苦が立ちはだかるのですが、わちゃわちゃしながら切り抜けるのがカタルシスどころじゃなく気持ちが良いです。

さっきチームメンバーの悪口を言いましたが、まあ色々あってもみんなが根っこからの悪人ではない(きちんとバックボーンがある)ので、なんだかんだみんな好きになれます。ここも良いポイント。

 

 

何書いてるのかわからなくなりました。あまり考えず楽しめ、誰も傷つけないハートフルな笑いを求めている方、そしてAppleTVの無料トライアル資格を持っている方(各種機器購入で1年間見られるはず)は是非観てくださいね!

語彙力のなさが悔やまれますが、「テッド肩の力を抜き、笑い傷心を蓋う」って感じです。何を言っているかわからない? 感じてください。

 

以上! あぴよす!

速度53BPMの『DUNE』 感想録

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↑グランドシネマサンシャイン最上階、IMAXレーザーGT上映

 

DUNE、面白かったです!

軽い感想としては「他惑星のナショナルジオグラフィック」って感じ。

スターウォーズのようなシンボリックなメロディーはないし、ノーラン作品のような通底した謎はないけど、純粋に惑星としての生を見つめた、そんなような。

155分、2時間半超えという長尺映画ですが、それを感じさせない良い作品でしたね。

 

話したいことは数多くありますが、5つに絞ってお話しします。

また小説『DUNE 砂の惑星』、及び各種ネタバレ感想等は未読であり、あくまで上映時の映画単体の印象で書いているので、ここ違うよ! とかあるかもしれません。

※注記 書いた内容が消えたので、思い出しながらエッセンスだけ記載します。最初に書いたため無事だった①、④、⑤を除きレジュメっぽく箇条書きにしました。

 

 

 

 

 

①概観

出だしに関しては完全に自然観察系番組を観ている気分とイコールでしたね。あれでも相当情報量を抑えた方だとは思いますが、≪ボイス≫のあたりまでの序盤10分の世界観質量はとんでもなかった。違う惑星の常識ダウンロードの時間ですし。

加えて監督の意地も凄かったです。スペースオペラ連作で大衆的な作品ではスターウォーズが有名だと思いますが、SF古典としてそれを上回る映像作品にしてみせるという意気込みをタイトル下にしっかり表記してある「Part One」表記から感じました。旅立たせるシーンで終わったのもなお良しです。

 

また自然と共存しようと試みる精神はジブリ的とも言えるかもしれません。畢竟人間は生物であり、星に住まう以上は、どう適応するかに腐心するか、あるいは全てを征服してしまうかの2択になるでしょうが、過酷な砂地では前者の方が効率的だったということなのでしょう。無論スターウォーズはほぼ後者です。あとは蜻蛉型ヘリもちょっとラピュタフラップターっぽいです。

 

全体を通して「これがこの世界だ! 伝われ……!」って監督がやってる作品というのが正しいかもしれません。まだPart Oneに過ぎませんし、きちんと腰を据えて次作も傑作に仕上げてもらいたいですね!

 

 

②世界観、文明について

<世界観>

・アトレイデス家とハルコンネン家の闘争+皇帝の構図

・アトレイデス家は公爵、ハルコンネン家は男爵

・アトレイデス家の数千年の血統操作 10000年代は地球の暦か?

・皇帝はどの程度の宇宙空間を統べているか明らかにはなっていない。スターウォーズは一応明らかになっている全ての星域を銀河帝国が統べていたはず(未知領域はあれど)

・しかし砂の惑星がテーマのため外宇宙を描くことはなさそう

・小物が好き 53BPM程度の振動を起こすだけの格好良い振動発生装置&やけに火力高い扉開けレーザー vs 砂圧縮装置&砂固定ライト

・小物で重要なのは機能、機能は環境を表し環境は歴史を表す

・他にも歯から作られたクリスナイフ、「一日に失う水の量は針の先ほど」が売り文句の保水スーツ、磁気嵐で乱れないパラコンパスなど。あなたはどの小物が好きですか?

 

<文明>

・何のために使うかわからない機械、なぜ飛べるのかわからない宇宙船は様式美として美しい

・遥か発達した未来にも関わらず肉弾戦、銃は存在するもののシールドによって無効化か?

・肉弾戦のため身体補強技術は有効→ハルコンネン家の男爵の脊椎補強装置

・ポールに対する師範のセリフ「シールドは遅い物を通す」云々

・シールドはどの星にも存在→皇帝派閥の技術か? であればこれを使って未開文明を支配した?

・ちなみに砂漠に降り立つシーンでもシールドを装着していた 素早いものを弾くシールドは飛んでくる砂も無効化し得るのか

・なぜ人はシールドを常に付けないのか(せめて寝る時以外は腕にでも付けておけば……)

・映像描写的にも致命部位が赤くなるシールドは簡明

・ドローンは暗殺とライトアップ以外では使用されていない?

・暗殺ドローン一体で簡単に公爵を殺せてしまうというのは警護としてどうなんだ問題 操作者が必要とはいえ幾らでも勢力図を転覆可能な気配

・読真術、痛みに耐える修行、「座を狙われ得る」という安直なミスを犯した皇帝、そして語られないものたち。

 

・未来にも棗椰子はある!

・聖なる木とはどこの何に対するもの?

・サンドワームがフレメンの信仰対象なのか、サンドワームの中の何か、例えば特定の個体が信仰するに値する存在なのか

 

 

人間について

・スパイスによるとされるフレメンの眼の青さ

虹彩のみの青さであればスパイスによるメラニン異常だが、角膜、結膜までも青いとなると目を覆う何かしらの膜のような物が生成されている可能性

・「砂漠に適応した民族」フレメンは今見せている以上の超能力を隠し持つか?

・そういえばハルコンネン家も浮かぶ能力を持っている様子 予知夢を見るポールといい、諸大諸侯家は血統操作などにより特殊能力を手に入れているのか

パイロットになりたかった主人公の父親、闘牛士になりたかった(なって死んだ)祖父、救世主になりたくない主人公

・主人公の父親といえば、目元で絶対オスカーアイザックだと思ってた エンドロールで名前が流れて嬉しくなった

・ポールの身体描写が多い。紛れもなく顔が良いし、ファンサービスということなのかも

・フレメンのアイドルチャニさんも顔が良い。宇宙世紀もの、顔が良い同士を並ばせがち

・ダンカンが周囲では評判が良い様子。頼れる兄貴分だが、何かを隠しているようなのも気になる

・主人公のお母さん、皇帝の読真師を血の繋がりある師匠として持ち、血統操作のために息子を産むが想いは本物系の気丈女史 素晴らしい

・私はフレメンだから大丈夫って言って逝ってしまった帝国の生態学者さん、好きだった分何処かで報われてほしいという気持ち

・報われてほしいといえばユエ医師。悪役に加担すると何があろうと不幸になる(ありていに言えば大抵死ぬ)ので当然といえば当然だが、悪役に目をつけられてしまったら逆らって死ぬか従って死ぬかの2択しか残されていないわけで、あまりにも哀れ。ただ子を約束通り守り切ったこと、印章をしっかり渡したこと、死に際して反撃するチャンスを父親の公爵に与えたことは彼なりの忠義か。哀れ……。

 

 

④世界の描き方、劇場演出について

見出し内容の前に、ファーストインプレッションとなる可能性が最も高いロゴについて。

ロゴの美しさについてはもはや説明不要ですが、あの四方向のUで表せることに気づいたデザイナーは、今後も素晴らしい作品を生み出し続けることでしょう。シンプルが最も難しい。

 

本筋の作品について。

砂漠は普段触れていない人でも想像の及ぶギリギリの領域のため、環境についての過度な説明が不要なんですね。いっそ放り出しているとも言えるほど清々しい世界観の混沌の中であっても、本筋で力点が置かれている砂での生活を我々が見失わないのはこのためです。

さらに、導入ではごちゃごちゃすると思っていた人間関係。実際には、想定外に典型的・王道的な人物相関しかなく、理解がしやすいものでした。

わかりやすい悪役のハルコンネン家、わかりやすいミス反逆のユエ医師、わかりやすい救世主のポール・アトレイデス、等々。

 

また、スターウォーズが勇壮だとすれば、こちらは哀愁方面の感情を鑑賞中に感じました。滅びを目にしてもなお、諦めず、前を向いて世界を確かな現実として歩いていかなければならないあの感情。

音楽が顕著ですが、DUNEはシンボルとなるテーマソングがない、というより全般的に静かなんですよね。あっても環境音がほとんどで、砂の世界の静寂が多くのシーンを占めています。これも異世界の現実を実感させる要因の一つです。

強いて言えば、サンドワームを引き寄せる53BPMのテンポでしょうか。人間の安静時の最低ラインの脈拍、あるいはそれ以下。荒廃し、ある形で安定した世界の描写には相応しいリズムです。DUNEのことを考えるとき、必ず頭の中に浮かびますし。

 

劇場演出について。

観た方は分かると思いますが、IMAXサイズのシーンと通常サイズのシーンが作品内に混同しています。単純にIMAXカメラを使ったシーンとそうでないシーンで分かれているのでしょうが、なぜその違いが発生しているのか考えてもはっきりとはわかりませんでした。

最初の方、砂漠アラキスにアトレイデス家として降り立つシーンは通常サイズでしたね。しかし砂漠や風景を選ぶときはIMAXサイズ。とはいえスパイス採取社会科見学シーンは通常サイズ……とばらつきがあります。じゃあ装置が入ってると通常なのか、というと都市が見えてくるシーンはIMAXサイズだったはずですし……。

と書いてて一つ仮説を思いつきました。もしかしたらIMAXサイズだと撮影関連機材がどうしても映り込んでしまう場合に通常サイズなのかもしれません。この監督がどのタイプなのかはわかりませんが、クリストファー・ノーランが賞賛していたということはほぼ全てのシーンを実写で撮影しているはずで(本当か?)、となれば都市やアトレイデス家の館などを実際に建築していると思うのですよね。※後に『DUNE』公式サイトの実写関連記事を読んだところ正にその通りの描写が。

つまり遠くから引きで撮影する分にはセットがあるのでがっつりIMAXカメラで撮影することができ、砂塵など各種特殊効果を効かせる必要性に加え、宇宙船からの登場シーンを描く必要のある前述アラキス到着時は全てを映してしまわないように通常サイズにならざるを得なかった、と。まさか宇宙船をフルサイズで作るわけにもいきませんからね!

仮説ですが当たらずとも遠からずな気もします。

 

 

⑤これからの「DUNE」論

唯一砂漠を味方につけているフレメンの後ろ盾を得た主人公、ポール。

どの程度まで真実かはわかりませんが、おそらく夢のほとんどは現実になるのでしょう。すなわちダンカンは死んでしまい、ポールは死んで生き返ることで救世主となり、チャニを妃的ポジションに置き、そしてアラキスを従え皇帝に戦いを挑む。その途中でサーダカーたちとも戦闘する描写もありました。

……長いですね。これ本当に次で終わるんでしょうか。

 

スパイスが必需品たる所以も気になります。食糧の保存なんかではもちろんないはずです。

本編で明かされているのは幻覚剤としての役割のみですが、例えば所持者の能力を拡張する力があったりするのでしょうか。

昔から「たまに正夢にならない」レベルの正確さで正夢を見るポールに、この先の全ての世界を見せたように。

 

伏線を山ほど張って回収し切らずにPart Oneが終わってしまいましたが、二部作目でどこまで回収してくれるのでしょうか。

もちろん原典を辿ればわかるものも多いでしょうが、映画にどこまで詰め込むことができるのか楽しみではあります。

 

とはいえ、読書会の時にも語った持論ですが、良いSFとは作品外の作品世界を感じさせるものである、と私は考えています。細かく語らずとも想像させる余地さえ与えてもらえればこっちが勝手に想像できますから。

 

ということで、次回作では世界観拡張パッケージ実装の方、よろしくお願いします。

あと頭の中にあったこと全部書いたはずですが、書き漏らしや思考ミスが必ずあるものですし、他の人の視点も知りたいので感想の方教えてくださいね。

 

 

以上。

 

アトレイデス!アトレイデス!