ひよこの無天

ひよこ飛ぶ空に限りはなく

ディベートとフィアスコ 4/9分

 

今日やったTRPG、フィアスコについて思ったこと。

 

『フィアスコ』

君と大惨事を作るTRPG「フィアスコ」 |君と大惨事を作るTRPG - コノス


野心はあっても自制心は頼りにならない、その身に合わない野望を抱いて、穴だらけの計画で大仕事に挑む三流犯罪者がとことん転げ落ちていく、そんな映画に影響を受けて作られたゲームですので、キャラクターたちはそのほとんどすべてが酷い目にあいます。さてそれは面白いのでしょうか。

 

上記のとおり、行き当たりばったりの犯罪者たちがどのように行動し、「大惨事」に陥る様を楽しむTRPG、というのがこのシステムのベースです。GMもシナリオも用意されていない、という特徴があり参加者で物語を作り上げていくといった楽しみがあります。

 

GMレスのゲームですが、むしろ参加者全員がGMなのだと言った方がいいでしょう。そこにこのゲームの楽しみがあります。お互いに相談しあいながら、自分のみならず仲間のキャラクターの演出までして、話を一緒に作り上げる、それが『フィアスコ』の面白さです。GMをやったことがないから不安だという人もいるでしょう。でも気にする必要ありません。みんながGMなのですから、慣れないうちは仲間に助けを求めればいいのです。思いつかないときは演出を助けてもらうのもよいでしょう。ではGMがおらず、そして全員がGMだとしたらシナリオはどうなるのでしょう?

 

元々用意されているのはギャング物に近い派手な演出のプレイセットですが、今回は熱血青春高校生活というサードによるセットでプレイしました。

 

 

やってみた感想。思った以上に面白い。

それぞれ担当するPCはいるんですが、実際にそのPCに設定を付加するのは自分とは限らず、他の人かもしれない。であると同時に、他の人と自分との関係性を構築するのもまた周囲であり、成り行きであり、自分でもある。元々用意された設定(これもみんなで押し付けあって決定したものだが)さえ整合性が保たれていれば、そこからどう飛躍しても構わない。新規設定に次ぐ設定の波で場を押し流せるんですよ。ということで、やっていて似ているなと思ったのがディベート

 

相手の主張を受けてそれにカウンターする必要があって、それもちゃんと攻守入れ替わるディベートと、相手が作った設定の上に乗っかる形でそれを活かすか崩すか逆転させるか、とにかく関係性に変化を加えるフィアスコ。(自分がこういう楽しみ方をしただけかもですが)似てませんか?

先に思いついた方が先手を打てるのでアドリブ力が高いと場をコントロールしやすいですし、「こうなったら面白いな」が頭に思い浮かんだ瞬間それを行動に移せるので、全員が好き勝手に動いていたと思います。とりわけ自分の卓は全員がGM経験者だったので、PCを動かしやすかったのかもしれません。シナリオもないのでいつもと違ってこの先の展開を何も気にしなくていい彼らはとても生き生きして見えました。

 

 

[総論]フィアスコの他のTRPGへの優位点、注意点

優位点:やはり楽。今までみたいに展開を考えなくていいのでもう本当に適当にやれる。キャラ間の設定もわかんなかったら周りが勝手に決めてくれるし、なんなら自分がシーンプレイヤー中でさえどう動くのかを周りに委ねることができる。また、シナリオがない=ネタバレがない、のため何度でもプレイでき、他人に全ての感想を話すことができる点が、プレイヤーとして心理的負担がなく良いです。

注意点:優位点の裏返しですが、キャラクターの設定、関係は自分だけでは決めることができない。そのため、キャラ設定をがっちり作り込みたい人や、キャラに勝手に設定を後付けしないで欲しい!という人には向かないと思われます。

あとTRPGにエモーショナルを求める場合は(少なくとも殊フィアスコに関しては)、きちんと周知しておかないと、今回のように突然核爆弾を投げ込んで破壊していく人間がいるかもしれません。元々そういうのがあまり向いていないシステムというのもありますが……。

 

以上、コンプライアンスを重視したフィアスコの紹介でした。他にもやった方がいたらリプレイの扱いに十分注意した上で見せていただけるとありがたいです。