ひよこの無天

ひよこ飛ぶ空に限りはなく

完全初見勢のデトロイト観察記(1) 〜許されざる思い違い〜

 

自身がアンドロイドでない自信はおありかな?私はない。ちなみに駄洒落でもない。

今日深夜まで行われていた、デトロイト実況を初見で途中まで観た中での感想です。

内容を初見で楽しみ、初見の感想を持てるのは長い人生で一度きりなので記録に残さなければならないという強い衝動に駆られて朝5時まで書き続けてしまいました。

 

ちなみに、これはネタバレではないセーフラインですが、私は今日観るまで「デトロイト」のことをポップなギャグノベルゲームだと思っていました。ぜ〜んぶ「デトロ!開けろイト警察だ!」のせいですね。

 

以下ネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今つめたい麻婆豆腐をつめたいご飯と一緒に食べていますが、無機質な味がして本当に美味しくない。みんなはプレイ前にきちんとご飯を食べようね。

自分がアンドロイドであってもなんらおかしくない世界観を浴びたらおかしくなるんですよね。当たり前なんですけど。

 

 

ゲーム性の話

冒頭でも言いましたが、デトロイトミリしらだったのでゲーム性から勘違いしていたんですよね。完全ノベルゲームかと思っていたので、初っ端から動かせることにまず驚愕しました。

そしてUIが良い!プレイヤーが操作しているところにシームレスに差し込まれる選択肢が、没入感を損なわせないストーリー進行に成功していて「うわあお洒落……」って声が出ましたね。随所にカットシーンは挟まりますが、グラフィックに大きな変化がないので(これはプレイヤーが操作できる世界のグラフィックがとても良いということでもある)、ゲームにおけるプレイ⇔カットが切り替わる際に起こるイライラ感もほぼありません。なんならカメラとか何もしないでも見映えの良いように勝手に切り替わるし、常時カットシーンと言えるまである。

これは導線の取り方が美しいことにも繋がってて、例えば「カギを取る」ような行動を起こした時に自動でカメラが引きになって奥の「鍵付き箱を開ける」という目標を目視させる、という流れなどが顕著です。一人称寄りの三人称視点なので基本酔いやすいゲームなのですが、カメラの自動切り替えの効果でこういった次の目的をわかりやすく/認識しやすくしていることにより多少は負担が軽減されています。お洒落〜!

 

あと、アンドロイドが主として青いネオンを纏うような服の装飾になっているんですが、この服とかライトとか火花とかのリアリティも高く、2017年時点でVFXってここまで来てたっけ?とか思っちゃいました。言っても2017年はNintendo Switchが発売される程度には進歩してたんですけれど。

 

 

人間性の話

高度な知能を持つ機械の見た目を人間に寄せてはいけない。あるいはアンドロイドに人間を超える知能を持たせてはいけない。種族対種族の構図になった時、"我々に勝ち目のない戦争" が発生することになります。

 

物語冒頭で主人公がいかに人間であるかを「デトロイト」は分からせにきます。労働者問題や賃金低下などを絡め、何年もかけて確執を育んだデトロイト世界と異なり、我々はアンドロイドの存在しない世界に生きている人間です。目の前に人間の見た目をして、人間と同等かそれ以上の知能を持ち、難なく人間とコミュニケーションを取っている存在がいたら、当然のように人間だと認識します。

しかも登場する人間が全員クズ(そのように、アンドロイドを人間だと考える私たちは思考します)。彼らからすれば、アンドロイドをぶっ壊すのはコームを壁にぶつけて歯を欠けさせたり、癇癪を起こしてティッシュ箱を床に叩きつけて凹ませるのと同等の行いですが、我々にはそれが人間への虐待のように見えてしまいます。人間であれば正当防衛もやむを得ず、殺されても仕方ないと思ってしまうんですね。アンドロイド=ティッシュ勢力としては、なぜティッシュ箱を破壊した程度で殺されなければならないのかと思うでしょうから、認識の齟齬を擦り合わせない限り一生分かり合えることはないのです。

 

なんならアンドロイドである彼らが見せる苦悩は、時に人間である私たちを凌駕する人間らしさを見せ、「人間であるとは何なのか」「人間らしさにおいてアンドロイドに下回る人間は人間なのか」という問いをゲーム画面をぶち抜いて私たちに投じてきます。このせいでご飯が喉を通りませんでした(まだ言う)。

愛する人を救えなかった俺は人間である資格がねえ」(詠み人知らず)という言葉がありますが、イカレ父親に殺されそうになったアリスを救えなかった無力な私は、自身を犠牲にしてでも身を挺してアリスを守り切ったカーラよりも人間であるとどうして言い切れましょうか。私は本当に赤い血の流れた人間なのでしょうか?

 

 

キャラが可愛い話

コナーとハンクの絡みを描いた二次創作物は果たしてあるのか?問題が配信中に勃発。私はね、コナーとハンクの二次小説がある方に賭けたんですよ。無いわけないでしょこんなもん!

って思って調べたら思っていたより大量にあってすごいな〜と思いました。まあでもあるよね。

 

デトロイト」は出てくるキャラクターがみな大層魅力的です。各主人公の初期段階ではそれぞれ相方がおり、全部の関係性が王道をぶち抜いていて"良"だなと思いましたね。お母さん的存在と娘、めちゃイケおじいさんと弟子、儚みダンディおじさんと有能クールガイ。君たちならコンビ三天王も狙えるぞ。

デトロイトが好きな人はバディミッションBONDも推しているイメージが勝手にあるのですがどうですか?こちらのご意見もお待ちしています。

 

刑事コンビが嫌いな人間はいないのは当然のこととして、私はアリスがとても好きなんですよ。知らないお姉さんが来た時に部屋の中にテント立ててその中に籠っちゃうのも可愛いし、心を開き始めたときの安心している感も制作陣が心を砕いたことがよく分かる描き方になっています。加えて、父親に暴力を振るわれてもなお家族として慕い続ける(残念ながらこれを洗脳というのですが)様子はいつの時代も存在してしまう家族構造の欠陥を知らしめつつ、アリスの健気さを我々に突きつけてきます。齢9から12と思われる彼女(中学生の台詞回しではないので10くらいでしょうか?)が、父親の癇癪のせいで夕食を前にして食事を取らず、自分の身を守るために部屋に駆け込む様子を見ると、私に力がないことが悔やまれるばかりです。力が欲しい……。

あと王道ですが画家のおじいちゃんも好きです。好きな焼き加減のベーコンエッグを食べて幸せに暮らして欲しいですね。

 

 

続きについて

世界観についても語りたいことは多くありましたが、寡聞にして存ぜず、というか全然プレイの途中であり語るところまで到達できていないため、全部見たら色々考えます。全員アンドロイドなんじゃあないかと思ったけど普通に血が赤い人もいた。でもレッド=ブラッドかもしれないし。

 

エピソードの続きが見られることを天に祈っています。

 

 

続きはこちらから↓

 

完全初見勢のデトロイト観察記(2) 〜犯罪にもやっていいことと悪いことがある〜 - ひよこの無天

完全初見勢のデトロイト観察記(3) 〜その傘要りますか?〜 - ひよこの無天

完全初見勢のデトロイト観察記(4) 〜最終回 #これでいいのかコナ太郎 〜 - ひよこの無天